遠藤捨三の世界

こちらは、空き地の詩人・遠藤捨三の愛好家(好事家)のための会員制ブログです。

国家という搾取システムとほどほどに付き合う。


 祖国とか愛国心という言葉がありますが、ところで国、国家ってなんでしょうか。あらためて考える機会もあまりないと思うので少し考察してみます。


 日本は法律を最上とする法治国家です。ですが、数年前に「上級国民」という言葉の流行もありましたが、偉い人、権力、利権を持っている人は、なかなか書類送検されなかったり、黒塗りの書類を証拠として提出しても無罪放免になったりします。本当に法治国家ですかね。


 90年代に経済対策大臣だった竹中平蔵の作った派遣、非正規雇用制度は、徹底的に大企業を守って税収を確保し、株式で利益を上げるシステムです。庶民の貧富の格差は広がる一方、国と政治家は株式利益で安泰です。資本主義に「搾取」という概念がありますが、まさに搾り取られているわけで、搾りカスはいらないと言わんばかりに扱われているように私などは感じてしまいます。みなさんどうでしょう。


 かたや国の経済を支える大企業を見ると、主な収益源が実は原発軍事産業だったりします。原発を作って国内外に販売している日本のメーカーは、日立製作所東芝三菱重工業、等等。軍事産業は、三菱重工業(戦闘機・航空機等)、 三菱電機 (ミサイル・レーダー等)、川崎重工業 (潜水艦・ヘリコプター等)、NEC (レーダー・電子機器等)、 IHI(エンジン等)、富士通(ネットワーク等)、コマツ(砲弾・装甲車等) 、東芝 (ミサイルシステム等)、日立製作所(情報システム等) 、ダイキン工業(砲弾等)などで、それぞれが100〜数千億円の収益を上げ

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モラルハラスメント ~ 自分と向き合えない人からの八つ当たり、鬱憤晴らし ~

 人間はみな不安を持っています。生活の不安、人間関係の不安、将来の不安、老後の不安、突き詰めると最終的には死の存在に行き当たります。死は揺るぎない確定項です。死への不安はなくなることはありません。免れ得ぬ死に対する不安とどう向き合っていくか、限りある人生でどのような選択をしていくのか、それこそがまさに人それぞれの「生き方」です。選択の責任を負えない人、覚悟の出来ない人は、いつまでも不安に振り回され続けます。耐え難く膨れ上がった不安から束の間逃れるために、他者を攻撃するようになります。自分で何かを選択し、経験を積んで自尊心を高める代わりに、自分に危害を加える心配のない存在にマウンティングをし、支配感を得ることで自尊心を守るようになります。それがモラルハラスメントです。

 

 

 責任を負えない人は自尊心を守るために常にスケープゴート(犠牲)を必要とします。自分自身の不安と向き合う代わりに、他者の心を支配することで、優越感を得、安心を得るという、すり替えをせずにいられないのです。そのようなすり替えは本人が自覚しないまま習慣化し、自己欺瞞に陥ります。パワハラモラハラも根っこは同じです。自分の責任から逃れるために、立場の弱いものに押し付ける行為です。

 

 

 私の父は教師であったこともあり、何かあると私を否定し、皮肉を言って来ました。一番厭だったのは、ほんの些細な失敗や、父の価値観にそぐわない行動に対して、「常識がない」「社会人になったらもっと」などと人格否定をされることでした。具体的には、お風呂の入浴剤の袋を捨て忘れた、とか、食事の後一休みしてから皿洗いをしようと想っていたら先に父に洗い物をされてしまった(自分で使ったものは自分で洗えという方針です)、などです。また、父は運動が苦手だったせいか、私がサッカー少年団に入る時も、やめたほうがいいと抑止したり、筋トレをしていると「またそんなことやってるのか」と皮肉を言ったりして来ました。親戚に頂いたお年玉でトレーニングの器具を買おうとしても許可されず、無断で購入した通販の商品は見つかると強制的に返品されました。エレキギターを買おうとした時も頑として反対され続け、たまたまそれを耳にした叔父がたしなめてくれて、半年後にようやく購入することが出来ました。フリーマーケットで買ってきたお気に入りの中古のブーツが見つからず探していたら「汚いから捨てた」と言われたこともあります。バンドのメンバー募集を雑誌に投稿し、それを見て応募してくれた人の手紙が届いた時も、アピールにカラフルな絵を描いてくれていましたが、「おい!キチガイから手紙が来たぞ!!」「その雑誌見せろ!!」と烈火の如く叱責され、気分が萎えてしまいました。

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一生モノ「エピフォン・カジノ」のこと。

 「一生モノ」というと、男性の場合、一生使う道具を挙げる方が多いかと思います。一生使う道具というと、一生続けるであろう何某かがあるわけですが、私の場合は、バンドブーム世代ということもあり、楽器、ギターが一生使う道具になります。私の一生モノとして、エピフォンというメーカーのカジノという名前のギターをご紹介いたします。


 エピフォン・カジノは、ポール・マッカートニーが気に入り、一時期ポール、ジョン、ジョージ、ビートルズの三人が使用したことで有名になりました。このギターの優秀なところですが、センターブロックという補強材が入っておらず、太く豊かな響きを持つところです。ボディーは薄いセミアコースティックですが、フルアコースティックギターに分類されます。19歳のときに友人のギター選びに付き合って、試し弾きをした際に、予期していなかったフルアコースティックの鳴りに衝撃を受け、その場で取り置きし、後日購入したことを鮮明に覚えています。またギターの収音マイクであるピックアップにはP-90という、中音域に特徴のあるものがマウントされています。ギターの受け持つ音域のいわゆる「おいしいところ」の張り出したサウンドが得られます。

エピフォン・カジノ(ビグスビー・アーム付き)




 カジノの歪んだトーンのイメージは、70年前後のキース・リチャーズです。69年のドキュメント『ハイドパーク・フリーコンサート』でも、キースはビグスビーのアームのついたモデルを使用しています。近年では、ポール・ウェラーがメインギターとして使用しています。歌のバッキングとしても、

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成功体験と成長。

 まず、分かりやすい例え話しとしてオーバートレーニングとアンダートレーニングの話しをしたいと思います。オーバートレーニングというのは、自分の筋力の限界を越えて疲労が蓄積した状態です。アンダートレーニングは逆に、必要な刺激が加わらないため筋力が弱化した状態です。両者ともに、パフォーマンスが落ちた、疲れやすい、やる気が起きない状態、に陥ります。その時の状態だけ見れば同じように見えますが、原因は正反対ですので、対処法ももちろん正反対になります。つまり、オーバートレーニングの場合は休息させなければいけませんが、アンダートレーニングで弱っている場合は少しずつ負荷を加えて鍛えなければ回復しません。
 
 近年、不登校の増加が社会問題になっていますが、生きづらさへの同情と同時に疑問に感じることがあります。それは「イヤなら無理して行かなくてもいいよ。」「頑張らなくていいよ。」という親の対応です。私の幼少期は学校は行くのが当たり前だと思いこんでいて
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自分のライフスタイル。

 私が生まれたのが1972年。90年代初頭にバブル経済が崩壊するまでは、「一億総中流家庭」をモットーに経済的な豊かさを求め、個人が生き方に疑問を持つ時代ではありませんでした。


 右肩上がりの経済成長が終わり、経費削減、派遣社員制度が普及、それから「30年が失われ」ます。終身雇用神話が崩壊すると、人々は成功のチャンスを求め、ベンチャー企業、SOHOなど、独立起業がもてはやされ始めました。今思うと、会社が経営難の時代に、独立しろというのは人減らし以外の何物でもないですね。学生だった頃はフリーターでも海外旅行に行けると聞いていましたから、急転直下の変化に戸惑うばかりでした。派遣制度だ、スキルアップのための転職だ、独立起業だ、とずいぶん振り回されたと思います。


 私のような就職活動もろくにしないバンドマンは、どの世代でも食えなかったかもしれませんが、就職氷河はいい大学に入って真面目に就職活動をした人も飲み込んでいきました。ニート、パラサイトシングル、ひきこもり、ネットカフェ難民ワーキングプアなど、時代時代で呼び方は様々ですが、すべてロストジェレーションと言われた団塊ジュニア世代の呼び名です。そんな失われた時代が30年続きました。


 政府はよく「景気の回復」という言葉を使いますが、異常だったのはバブル景気の方で、経済成長率が戦後の焼け野原からの復興の水準に戻るわけがありません。成熟期を経て衰退期に入った日本経済で、本気でバブル水準の景気への「回復」を夢見ているのでしょうか。


 では、どのくらいの生活レベルが適正なのでしょうか。何を持って適正水準とするのか、個人の生活レベルで言えば、月にいくら収入があれば充分なのでしょう。もしかしたらそれに答えはなく、

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ブログ序文「音楽で生活する」ということ。

 みなさん、プロのミュージシャンというと、どんな人が思い浮かぶでしょうか。ミスチルの桜井さんでしょうか。B’zの稲葉さんでしょうか。いずれにせよ、ソニー・ミュージック・エンターテインメントやエイベックスなど、大手音楽事務所に所属するアーティストではないでしょうか。大企業と契約しているミュージシャンが「プロ」、インディーズは「プロ」になるためのステップ、という見方が一般的だと思います。

 


 日本では大手音楽事務所と契約しなければ音楽だけで食べていくことが難しいためそういった見方になりがちです。「ミュージシャンになる」というと非現実的な夢追い人とみられます。本質的にはインディーズもライブミュージシャンも、音楽で稼いでいるプロのミュージシャンです。収入の格差は大きいと思いますが、

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