遠藤捨三の世界

こちらは、空き地の詩人・遠藤捨三の愛好家(好事家)のための会員制ブログです。

スケートボード、ロック、ロマン主義、etc。

 スケートボードの映像作品を観ていると、身体表現によるアートを観ているような気分になります。また、街の中の、行政の建てたモニュメントや公園の手すりをセクションに見立てて滑っていく様は、世間を嘲笑うかのような太々しさがあります。スケーターのよく使う「アティチュード」(態度)というワードがありますが、そこには生き方の哲学、何某かに対してどんな態度を取るかという明確なメッセージを読み取ることが出来ます。ロックやパンク、あるいは19世紀のロマン主義と同じ、権威や常識に反発し、自由を叫ぶ態度です。


 2020年の東京オリンピックスケートボードは正式競技になり、堀米悠斗が金メダル、女子でも西矢椛が金メダルを獲得し注目を浴びました。私自身、スケートボードが大好きなのですが、競技スポーツとしてのスケートボードが持て囃され、スケートボードパークのランプを親子連れが占拠するようになった様は、正直何か他人事のように感じました。


 私の好きなスタイルは、サーフィンから派生した、「オールドスクール」といわれるもので、低い姿勢でスタイリッシュに滑るものです。ジェイ・アダムス、トニー・アルバらのZ-boysや トミー・ゲレロ、ランス・マウンテン、トニー・ホークらを擁するBones Brigadeの時代、カービングからランプ、プールくらいまで、です。その時代もコンテストはありました。ドキュメンタリー映画『DOGTOWN & Z-BOYS』の中インタビューシーンで、ジェイ・アダムスが、「楽しく滑ってたのに、みんなだんだんマジになって来てつまらなくなった。」と話しています。映画『LORDS OF DOGTOWN』でもスポンサーがついて、コンテストに出場しまくるシーンが出てきます。そこでもジェイは一抜けで、不良仲間のところに戻って行きます。

Z-Boysのジェイ・アダムス(左)とトニー・アルヴァ(右)


 後ろ足のつま先でボードを叩き、前足で板をしゃくり上げてジャンプする「オーリー」が流行してから、

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